「僕は貴方が嫌いなんですよ。」
ああ、そうかい。
「本当になんの取り柄もない無力で守られるだけの貴方が」
否定はしない。
俺にはなんの力もないし、事実長門たちに守られてばかりだ。
「どうして顔も成績も対して良くない只の凡人の貴方が、神に望まれるなんて、」
そうだな。
能力的にも俺は言ってしまえば、その他大勢にくくられるべき人間だ。
「僕はあんなにも大切なものを喪ったのに。今ですら欲しいものを望んではいけないのに、」
うん、知っているさ。
愛してくれた両親から離されて、日夜よくわからない化け物と戦わせられる。
そして笑顔を張り付けることと、イエスマンであり続けなければならないお前。
「長門さんも、朝比奈さんも、嫌いだ。彼女達は何も喪わず、ただ『アレ』を見ていればいいだけだ、」
観察者の長門。
傍観者の朝比奈さん。
お前と似ていて、全く違う二人。
二人は、与えられたり、望まれたりして、存在している。
全部奪われて、お前は今の居場所にいる。
「でも僕は、何の使命も負わずのうのうと、『神』の傍にいる貴方が、一番憎いんです。」
そうか。
でもな、古泉よ、
「そういう事は人の服の端を掴みながら言うもんじゃない。」
「、」
「あと泣くな。説得力が全くない。」
「…だって、キョ…ンく、ん…」
鼻をぐずらせながら綺麗な顔した男は涙を拭った。
泣くくらいなら、俺を嫌いなんて言わなきゃ良いのに。
(嫌いと言われても、俺はたぶんお前を嫌いにならないと思うけど。)
涼宮ハルヒの憂鬱 古キョン
情緒不安定で八つ当たる古泉とそれを受け止めるキョン。
09/05/20
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