「復讐」は唄っていた。
灰色の世界への呪い。イドの謌。
歩いているうちに黒髪の少年と銀髪の青年に出会った。
しかし二人とも足首から先が無い。
「何かお悩みかな?」
メルは気さくに声をかける。
「君達は幽霊の様だね。…殺ったのは…パンダ・ハムスターだね?」
「「そうだけど」」
二人は声を合わせる。
「「僕達の願いを叶えてくれるのかい?」」
「もちろん」
メルが手招きをすると、ガラスで分けられた二人の死体のもとへと来た。
「さあ、生き返りたまえ。話はその後だ」
パンダは異様な殺気に気がついた。武器である金づちを握りしめる。
灰色の世界が黒く染まっていく。その中から鞭の様な刃がパンダの体を引き裂こうとした。
パンダはそれをぎりぎりで避け、反撃のチャンスを狙った。
「ユルサナイ」
闇の中から声が聞こえる。やがて闇の中から剣を持った観月と、鞭の様な剣を持った半兵衛が現れた。
「君達は死んだはずじゃあ…」
パンダは驚きを隠せない様だった。
「君に復讐する為に生き返ったのだよ」
二人の後ろからメルが現れた。
「「シネ!!!!」」
観月と半兵衛はパンダに剣を振り下ろした。
ガキィンッ
しかし二人の攻撃は斧に弾かれた。
「…パンダくんは殺させない」
現れたのはかぶるだった。しかしかぶるも足首から先が無い。
「パンダくん、やっと会えた」
「かぶるくん…」
かぶるはぎゅ、とパンダを抱きしめた。
そして
パンダの首を撥ねた。
「「ナンテコトダ!!!」」
パンダは首を転がして死んだ。死んだ者には復讐は出来ない。
「これでずっと一緒だね、パンダくん」
かぶるは一人呟いた。
復讐を果たせなかった二人は頭を抱え、その場に崩れ落ちた。
「…私の計画を邪魔したのは君か」
混沌とした闇の中から滝夜叉丸が現れる。
「こんにちは、メル」
メルは滝夜叉丸を睨む様に見た。滝夜叉丸も見下す様にメルを見る。
「パンダ・ハムスターに唾を付けたのは私が先です」
「良く言うな」
かぶるはパンダの頭を抱きしめて消えた。観月と半兵衛も崩れ落ち意識を無くした。
「今回は君に譲るけれど、次はこうは逝かないからな」
「上等です」
二人は闇の中に消えた。そしてそこには三つの死体だけが残った。