4章 ノルマール城
4.
「ライさん、大丈夫かな?ポン太はちゃんといい子にしてるのかなぁ……」
テオドシウスと手を繋ぎながら、尊は医務室――こちらでは治癒室というらしい――に向かっていた。
主賓がいなくなってしまった部屋でいつまでも世間話に興じているわけにもいかないので、ライラークのお見舞いとセリーヌに預けていたディア・ガディアスを迎えに行くことにしたのだ。
ライラークの怪我は軽いそうなので心配ないが、ディア・ガディアスがセリーヌの元でおとなしくしていられたか心配である。
「あの暴れん坊が、セリーヌさんにご迷惑かけてないといいんだけど」
「きっとおとなしくしてるよ」
「そうだといいんだけどね」
今更嘆いても仕方ないので、自分に言い聞かせるように頷いた。
陛下に会うのにディア・ガディアスを連れて行くのは勘弁して欲しいと訴えた尊に、セリーヌに預けることを提案してくれたのはマチェイだ。
彼曰く『セリーヌちゃんは肝が据わってるから大丈夫』だそうなのだが、あの清楚な美女に短気で手が早いディア・ガディアスを止められるのだろうか。
あの時は時間がなくてセリーヌに頼むしかなかったが、今となってはディア・ガディアスの保護者代わりとして胃がキリキリと痛む。
マチェイに本当に大丈夫なのかと尋ねたいところだが、彼は今はここにいない。
何でも尊に合わせたい人がいるので迎えに行っているそうだ。
どんな人をどんな理由で尊に会わせようとしているのか。気になって尋ねても、笑ってはぐらかされてしまった。
あの愛想のよい垂れ目でにっこりと微笑まれると、どうもうまく丸め込まれてしまう。
本当はちゃんと話を聞きたかったのだが………。
うーんと唇を突き出して考え込んでいたいた尊は、こちらに向けられている視線に漸く気付く。
「ん?」
四方八方から感じる視線。すれ違う人々が怪訝そうにこちらを見つめている。
無事に帰ってきた第四皇子の姿を見ているのかと思ったが、テオドシウスが誘拐されたことは限られた人間しか知らないはずだ。無用な混乱を避けるためだとマチェイが言っていた。
そうなるとこの視線は、見慣れた第四皇子に向けらているのではなく尊に送られていると思って間違いなさそうだ。
罪人だと思われているのだろうかと、自分の短く揃えられた髪にそっと触れる。
けれど、彼らの瞳には嫌悪や侮蔑の感情が見当たらない。どちらかというと、珍獣を見るような好奇心に満ちた視線……。
(ってことは、変な服装の男だと思われてるってことだよね)
はぁっと溜息をついて肩を落とした。
確かに、中学生に入るまでは男の子に間違われることが少なからず……いや、多々あった。
けれど、男女の違いが身体に表れる中学生になってからは間違われることも大分減った。……皆無だといえないのが悲しいところだが。
いくら髪が短い女性はいないという先入観があっても、さすがにこの年で性別を間違えるというのは酷いのではないかと思う。
憤慨しながら、尊は自分の胸元に視線を落とした。
眼前には平らな胸元。なんの障害もなく爪先が見える。
(あれ?間違われなくなったのって、もしかしなくても制服のお陰?)
それ以上の追求はやめておく。何か悲しい事実に気付きそうだ。
「ねぇ、テオ。なんで髪の短い女の人は罪を犯したってことになるの?」
隣を歩くテオドシウスに、唇を尖らせながら尋ねた。
どうして、そのような習慣を作ったのだろう。この悪しき風習のせいで、男に間違われてしまうではないか。
そう。ネフィーリアの風習のせいだ。決して、自分の胸が平坦なためではない!
「刑罰の一つなんだ。軽罪を犯したからと言っても、女の人に鞭打ちや烙印は可哀相でしょう。だから、精神的苦痛を与えるってことで断髪するの」
「精神的苦痛かぁ……」
髪を切られて精神苦痛を感じるというのに共感は出来ないが、ネフィーリアの感覚からすると罰の一つになるのだろう。
日本にも『髪は女の命』という言葉もあるくらいだから、髪を短くするというのは女性としてあるまじきことなのだと考えれば何となく理解は出来た。
つまり髪が短い女の人というのは、尊の世界では『アタイ、前科持ちなんだぜ』と言っているのも同然のことだったのだ。
そう思うと、尊の髪が短くても普通に接していたテオドシウスやマチェイ、ライラークたちは凄いなと思う。
髪のことを指摘しても、そこには嘲りも怯えもなかった。
(優しい人たちに巡り合えてよかった。あたしって幸せ者だよ)
心の中で運命の女神様に感謝をしていると、隣を歩いていたテオドシウスが足を止めた。話しているうちに治癒室に着いたらしい。
白い扉にプレートが貼られ、そこに何か書いてある。
これがネフィーリアの言語なのだろう。……もちろんのことながら、さっぱり分からない。
(言葉は通じているのに、なんで文字は分からないのかなぁ。どういう基準で翻訳されてるんだろ)
あとでディア・ガディアスに聞いてみようかと考えながら、扉に手の甲を当てて軽くノックをする。
「セリーヌさん、ポン太を預かってもらっちゃってすみませ―――」
「テメェ、本気でブッ殺すぞ!!」
一声掛けてドアを開けた尊を出迎えたのは、ディア・ガディアスの怒鳴り声。
いくらディア・ガディアスの口が悪いとは言え、ブッ殺すとは穏やかではない。
「ポン太!!」
セリーヌに危害を加える前に止めなければと、慌てて部屋の中に飛び込む。
「ポン太様、お可愛らしいです!!」
「ん?」
部屋の中にいたのは、両手を胸の前で組んで目を輝かせているセリーヌ。
てっきり殺伐とした展開になっているのではないかと思っていた尊の予想を裏切った。
「セリーヌさん?」
首を捻りながらセリーヌに声を掛けると、彼女は満面の笑みを浮かべて尊の手を掴む。
「ミコト様、どうですか!私の自信作です!!」
そう言って手を広げて示したのは、机の上にあるピンクの可愛らしいフリルがついたレース。
ロココ調とかいう、80年代の少女漫画に出てきそうな甘ったるくて実用性は皆無なアレだ。
そのレースの塊がくるりと回る。そこには見慣れた大きさが違うボタンの瞳。
「ポン―――!?」
レースに包まれた………というか、フリルたっぷりのレースのドレスを着ていたのは、間違いなくポン太の姿をしたディア・ガディアスだった。
視界に入れた瞬間、尊の身体は床へと崩れ落ちた。
いけない。笑うと絶対にディア・ガディアスに怒られる。けれど、この姿を笑うなというのは拷問に近い。
尊に出来ることは、ディア・ガディアスを視界に入れないようにして床に膝をつき肩を震わせることだった。
「くひ……っ」
結局は押さえきれず、奇妙な声が漏れてしまったが。
「テメェ………」
殺気に満ち満ちた瞳が向けられるが、尊の痙攣が治まる様子はない。
「だ、だって、ポン太がドレス……ふひっ……しかも、なんでフリフリ………っ!」
尊は言い訳をしようと口を開くのだが、漏れそうになる笑いを押さえるために言葉に詰まってしまい、うまくいかない。
そんな尊を晴れやかな笑顔で見つめるのは、おそらくディア・ガディアスをこの様な姿にした張本人。
セリーヌはと言うと『どうだ!』といわんばかりに腰に手を当て、レースの精と化したディア・ガディアスに満足そうに頷いてみせた。
「どうです、ポン太様。ミコト様もあまりの感激に声を詰まらせているではありませんか」
「笑いを堪えてるの間違いだろうがぁっ!!」
「まあまあ、お照れになっているんですね」
身が竦むような一喝に、怯んだ様子もなく微笑みを絶やさない。
(天然ってすごい……)
尊は呆れと感心と尊敬を綯い交ぜにした視線をセリーヌに送るしかない。
「バカ女!さっさとこの服を脱がせろ!!」
セリーヌには何を言っても通じないと踏んだのか、ディア・ガディアスは腰に手を当て仁王立ちで尊に向き直る。だが、迫力は微塵もない。むしろ滑稽。
引き攣る口元を根性で宥めながら、平静を装って尋ねる。
「脱ぎたければ自分で脱げばいいのに」
尊に脱がせてもらわずとも、気に入らないなら自分で脱げばいい。
ディア・ガディアスならば引き千切って脱いでいてもおかしくない。それなのに尊が来るまで着ていたということは、案外気に入っているのだろうか。
尊の至極真っ当な質問にそっぽを向いてから、ディア・ガディアスは地の底を這うような低い声で呟いた。
「………手が届かねェんだよ」
堤防は崩壊した。ついでに腹筋も崩壊しそうだ。
笑い転げる尊の代わりに、テオドシウスが背後に回ってドレスの紐を解いている。
ドレスを脱いだディア・ガディアスは、残念そうに眉を寄せているセリーヌの顔を目掛けてドレスを投げつけた。
そして、バンバンと床を叩いて笑い続けている尊の頭に跳び蹴りを喰らわせた。
「いい加減に笑うのやめねェか!!」
「ご、ごめ………そりゃぬいぐるみだから後ろに手が回るはずが……っぷ、ふひゃひゃ!あは、ひぐっ………お腹、いた……っ」
破壊と終焉を司る聖神が、手が後ろに回らないためにレースのドレスを脱げないなどと言う光景を笑うなという方が無理だ。
べしべしとディア・ガディアスが尊の頭を叩いているが、それよりも笑いすぎて腹筋の方が辛い。
笑いながら痛みを堪えるために床に丸まっていると、不意にディア・ガディアスの打撃が止んだ。
「うぷぷ……ぷ?」
不思議に思って顔を上げると、ディア・ガディアスがぶつぶつと何かを呟いていた。
恨み言かと思い耳を済ませるが、それは意味不明の言葉の羅列。
怒りのあまり錯乱してしまったのだろうかと思ってがばりと跳ね起きるが、そうではなさそうだ。
何故なら、これは言葉ではなくて『呪文』だから。
セリーヌが怪我を治してくれた時と同じようにディア・ガディアスの両手の中に光が灯る。
あの時とは違い、蛍のような淡い光ではない。力強く赤い光。
「え、えと、ポン太さん………?」
恐る恐るディア・ガディアスに声を掛けると、彼はこちらを見上げた。
どうしてなのかは分からない。けれど、釦の瞳が据わって見えたのだ。
「死にさらせぇ!!」
どこぞの極道が討ち入りのときに使うような台詞を吐いて、手の中の光を尊目掛けて投げつけた。
笑いすぎたと思ったときにはもう遅い。
「ちょ、きゃああぁぁぁぁ!!」
悲鳴をあげて咄嗟に顔を庇う。
けれど、光は尊の元に届く前にぷすんと音を立てて消えた。跡形もなく。
「……………具現(の失敗だね」
テオドシウスの言葉と共に、ディア・ガディアスが力なく横に倒れた。
そのままぴくりとも動かない。まるで本当のぬいぐるみのような様子に、尊も流石に同情した。
「ぽ、ポン太ぁー、だいじょーぶー?」
「召喚(に失敗のみならず、具現(にも失敗するってなんだそりゃ。俺様は破壊と終焉を司る最強の聖神(だっつーの……」
「ポ、ポン太がアイデンティティを失いかけている!?」
「あいでんて?」
頬に手を当て、ムンクの『叫び』のようになって青ざめる尊に対して、テオドシウスはきょとんと不思議そうに小首を傾げている。
あの自信家のディア・ガディアスがこのように意気消沈するなど、ルーレイという魔法はよほど簡単に出来るものなのだろう。
「ルーレイってどんな魔法?」
「具現(は契約した聖霊(の力を使うこと。セリーヌがミコトの傷を治したのも具現(だよ」
「私たち人間(には簡単と言うわけではありませんが、聖神(でしたら、人が歩き方を覚えるように使えると聞きますよ」
つまり、具現(に失敗したディア・ガディアスは何もないところで転んで顔面打ちしたも同然。
只でさえ俺様で自意識過剰で自信家なディア・ガディアス。彼のプライドは粉々になっていることだろう。
可哀相になった尊は、小さな体を抱き上げて慰めようと頭を撫でる。けれど、何の反応もない。嫌がりもしないなど、かなりの重症だ。
「随分と賑やかだな」
頭上から男の声が振ってきた。
不思議に思って顔を上げると、すぐ傍に大柄な男が立っていた。
年の頃は三十代後半だろうか。無精髭を生やした野性味のある男。
胸元をだらしなく着崩した服装は、城にいるには些か浮いて見えた。
何者だろうかと緊張して目の前に立つ男を見上げていると、セリーヌが男に声を掛けた。
「先生、来るのが遅いですよ。あとちょっと早く来れば、可愛く着飾ったポン太様が見られたのに」
「哀れな犠牲者の間違いだろうが」
先生と呼ばれた男は、拗ねたように頬を膨らますセリーヌに呆れた口調で皮肉を言った。
どうやら、彼がライラークの怪我を治したウィンターソン先生らしい。
がっしりとした体躯を見る限りでは、お医者さんというよりは戦士と言われた方が納得がいくのだが。
男が尊に視線を移す。鋭い眼付きを向けられて、ディア・ガディアスを抱き締めている腕に思わず力が籠もる。
「お前さんがテオドシウス皇子を助けたっていう英雄か。子供にしちゃあ、いい度胸をしてるな」
ウィンターソンは破顔すると、大きな手のひらで尊の頭を豪快に撫でた。
思ったよりも親しみやすい性格のようだ。
ホッと安堵の息を吐いてから、尊は頭を下げた。
「初めまして、ミコト・ミネギシです。こんな髪ですが、ちゃんと女の子です。よろしくお願いします」
また男に間違われるのは精神的ショックが大きいので、先に性別を宣言しておく。
「俺はレイフ・ウィンターソンだ。こんな見てくれだが、一応は宮廷治癒師でな。よろしくな、嬢ちゃん」
嬢ちゃんを強調して呼ぶウィンターソンに、尊は苦笑いを浮かべる。
どうやら彼は、尊が女の子であることを知っていたらしい。尊が気を失っていた間にテオドシウスやマチェイが治癒室に来ていたそうなので、その時に聞いたのだろう。
ウィンターソンは力無く項垂れるディア・ガディアスの顔を覗き込むと、その頭をぐりぐりと力任せに撫でた。
「よかったな、ポン太。ご主人様が帰ってきて」
その言葉に、本物のぬいぐるみのように身動きしなくなっていたディア・ガディアスが憤慨して顔を上げた。
「ふざけんなっ!俺様がコイツのご主人様だっつーの!!」
「あ、復活した。……っていうか、そんな風に思ってたんだ」
ウィンターソンに怒鳴り散らすディア・ガディアスを、お仕置き代わりに締め上げる。
綿で出来た柔らかい体だが苦しいらしい。ばしばしと尊の腕を叩いてもがいている。
ディア・ガディアスを解放した尊は、治癒室に来たもう一つの目的を果たそうとウィンターソンに尋ねた。
「あのぉ、ライさんの怪我の具合って大丈夫なんですか?」
「おう。怪我は塞がったし、増血剤を飲ませておいたから、安静にしていれば明日には元通りだ」
「増血剤?」
「治癒で怪我は治せても、失った血までは戻せねぇからな」
「そういうものなんですか」
治癒というのは怪我の再生が出来ても、身体の内部の失ったものまでは再生が出来ないらしい。
魔法が使えるからといって、全てに万能なわけではないようだ。
「ライラークの部屋はあっちだ。セリーヌ、案内してやれ」
「はい、先生。皇子、ミコト様、行きましょう」
先頭に立って歩くセリーヌの後を、テオドシウスと一緒について行く。
白い清潔感のある部屋の奥は思ったよりも広く、部屋数もたくさんある。
この治癒室というのは治癒をするだけでなく入院施設にもなっているらしい。学校にある保健室を想像していたが、診療所ぐらいの規模はあるようだ。
「こちらですよ」
奥まった場所にある扉の前で、セリーヌが足を止める。他の木製の扉とは違い、鉄で出来た頑丈そうな扉に目を瞬いた。
何故かここだけ随分と厳重な造りをしている。騎士ともなると、安全面に気を使うのだろうか。
「ごゆっくりどうぞ」
セリーヌに扉を開けてもらって中に入るテオドシウスに続いて、尊も部屋の中に入る。
ベッドに横になっていたのは、血の気が失せて青白い顔をしたライラーク。ウィンターソンの言う通り、まだ血が戻っていないというのが一目で分かる。
「皇子、ミコト様……」
ベッドから立ち上がろうとするライラークを、テオドシウスが止める。
「さっきも言ったでしょう。ライは横になってて」
「しかし……」
「無理しちゃ嫌だよ、ライ」
悲しそうに眉を寄せるテオドシウスに、ライラークは困り果てた顔で思案していたが最終的には枕をクッションにして上半身だけを起こした。
それでも青ざめた顔色の彼にはキツそうだったが、これが譲歩出来る体勢なのだろう。
「ライさん、大丈夫?痛いところとかないですか?」
「ええ、傷一つ残っていません。ミコト様こそ、わざわざ足を運び頂いてありがとうございます」
優しい微笑みを向けられて、尊の胸がちくりと痛む。
彼は怪我をした時には、尊はまだ気を失っていなかったのだ。どうして彼が怪我をしたことを忘れてしまったのかと、自分の記憶力を恨んだ。
「ミコト様も気がつかれたようでよかったです。御身体に不調などはございませんか?」
「あ、はい!あたしは全く―――」
言いかけた尊の背中に衝撃が走る。
背後から迫ってきた何かに、思いきり突き飛ばされたのだ。
急な攻撃に踏ん張ることも出来なかった。ライラークのベッドへ、上半身をダイブさせてしまう。
それは結構な衝撃で、尊の鼻も痛かったし、ベッドと尊に挟まれたディア・ガディアスの潰れた蛙のような声も聞こえたし、下敷きになっているライラークの呻き声も聞こえた。
尊は起き上がろう慌てて手に力を込めたが、
「ふぎゃ!」
「うぐぉ!」
「ぐっ……」
身体を起こすよりも早く背中に何かが乗ってきて再びベッドに顔を埋める羽目になった。
ばたばたと手足を動かしてみるが、背中に乗った何かは全く動く様子がない。
しかも、かなりの重量があり、先ほど食べたケーキと紅茶が出てしまいそうだ。
「ライ、けが治ったのか?ルゥが見まいに来てやったゾ」
暴れる尊の耳に届いたのは、舌っ足らずな甲高い声。
聞こえて来たのは、もちろん尊の背中の上からだ。どうやら背中に乗っているのは人らしい。
人と思えば軽い方なので子供のようだが、あくまで『人ならば軽い方』だ。子供でも重量は充分にある。
「ルゥ、そこから降り」
「みやげに肉もってきた。肉食うと元気でるゾ」
「分かったから、ともかく降り」
「そういえばな、ここにルゥが守るヤツがいるんだってマーチが言ってたんだ。どこにいるか知ってるか?」
テオドシウスやライラークが降ろそうとしているが、子供は聞く耳をもたない。というか、聞いてない。
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